子供・幼児のアスペルガー症候群の特徴
アスペルガー症候群の子供は、知能や言葉の遅れが無く、一見、普通の定型発達の子供のように見えます。アスペルガーの特徴とされている行動パターンも、一人一人に現れ方が異なります。その上、難しい言葉を使い、優れた記憶力を見せるなどの知能の高さを見せる為、発見が遅れがちです。
しかし大人たちが気付かない間に、本人は、本人すら気が付かない対人ストレスにさらされています。早期発見と適切な支援が必要です。
コミュニケーションがとりにくい
アスペルガー症候群の子供は、幼児の頃から、こちらの話しかけに対して「目を合わさない」もしくは「じーっと見つめ続ける」という特徴があり、話の内容も「相手の反応に気付かず、会話が一方的」「話がかみ合わない」などの、「あれ?会話が通じていないぞ?」という違和感を感じさせます。本人も、なぜか会話が続かないと気付いている場合もあります。
また、会話中に不意にどこかへ行ってしまうこともあります。これはアスペルガー症候群に付随して見られる「多動」の特徴です。興味の無い話には、集中力が持続できないのです。大人がかわいがろうとボディタッチをすると、嫌がることもあり、「可愛げが無い」とみられます。これは触覚刺激の過剰反応であり、大人が思うような好悪の感情を持っているわけではありません。
感情、感動を共有できない、馴染めない
集団の中で、「皆が笑っている時に一人だけ笑っていない」「笑うポイントが皆と違っている」「皆が感動している時に、一緒に感動していない」などの行動が見られます。本人は、皆が笑っているけれども、何が面白かったのか解らないから笑えない。皆が感動して騒いでいても、何に騒いでいるのか分からないのです。
また、工作や体操などでは、他の子たちが出来て「できた!」と喜んでいる時に、一人だけできない。お遊戯ではダンスのテンポが遅れて流れを乱す。箸やハサミの使い方が下手で、先生の言う通りに使えない。皆と同じことが出来ないから、出来た感動を共有できない。
それらの不器用さは、脳から体への神経伝達がスムーズに伝わらない「運動企画障害」のためです。一人静かに、ゆっくりと練習を重ねれば、脳がパターンを覚えて出来るようになります。
興味を持ったことに集中する
同じ年齢の子供同士で遊ぶよりも、興味を持ったことに何時間でも集中して取り組む方を好みます。興味を持ったことに取り組んでいる間は、周りの状況に関心を示しません。あまりに集中しているので、他の子が興味を持って近づいても、相手にしないため、相手の機嫌を損ねてしまいます。
また、興味を持ったことに関する知識は驚くほど豊富です。また、本人にしか解らない超感覚もあるので、定型には聞こえない音に聞き入っていたり、物に触った感覚や香りを、集中して楽しんでいることもあります。
この子はアスペルガー症候群かもしれないと思ったら
アスペルガー症候群の子供は、コミュニケーションの取り方に違和感を持たせ、出来る事と出来ない事の差が激しくあります。もし、周囲の大人が、上述の特徴に気が付いたのなら、早く地域の相談室に相談し、その子の長所を伸ばして、集団生活ができるように支援する方法を知りましょう。
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