アスペルガー症候群の人は謝らないのか
相手が怒っていることに気付いていない
アスペルガー症候群の人は、相手の表情を読み取ったり、言葉の含みの意味を理解したりすることが苦手です。その為、激怒している時以外の「ムッとした表情」や「嫌味などの含みを持たせ表現」などで怒りを表したとしても、アスペルガー症候群の人には伝わっていない可能性が高いのです。
結果としてアスペルガー症候群の人は、いわゆる「謝らない」ということではなく「謝る必要が無い」と考えている可能性があり、周囲から「謝らない人」という評価を下されても、本人は何のことか理解することが出来ないのです。もしそこで「自分は謝らない人間ではない」と反論すれば、さらに謝らない人という評価になってしまいます。
自分が正しければ謝らない
定型発達の人は、円滑なコミュニケーションの為に自分が悪くなくても謝るということを社会生活の中でよく行ないます。しかし、アスペルガー症候群の人は自分が間違ったことをしていない場合は謝らないことが多いのです。
例えば、正論を言って相手を傷つけてしまった時は、「自分は正しいことを言っている」という理由から謝る必要が無いと判断します。これは、アスペルガー症候群の一度決めたルールを頑なに守るという特徴によるものと考えられ、小さい頃に教えられた「悪いことをしたら謝る」というルールを厳格に守っている可能性もあります。
他の障害と勘違いされていることも
世の中には自分が悪いことをしたと認識しても謝らない人がたくさんいます。もちろんアスペルガー症候群の人の中にもこのような人は存在するでしょう。しかし、それはアスペルガー症候群が直接的な原因ではない場合もあります。
例えば、アスペルガー症候群が原因で親子関係や友人関係が上手くいっていないと、そのことがトラウマになり、パーソナリティ障害などの別の障害を抱えている可能性があります。そして、パーソナリティ障害の症状の中には自分の非を認めないという特徴もあるので、それが謝らないという行動に繋がっているとも考えられます。
また、アスペルガー症候群だからといって絶対に謝ることを嫌う訳ではありません。謝る必要があると判断した時はきちんと謝る人もいます。その為、障害によるレッテル貼りをしないよう気をつける必要があります。
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