高齢者のアスペルガー症候群の特徴
アスペルガー症候群の歴史
アスペルガー症候群という病気は、比較的新しい病気であり、現在の高齢者は幼い頃にはアスペルガー症候群という診断を受けた人はいません。アスペルガー症候群は1944年にアスペルガーという小児科医によって論文が発表されましたが、その後1981年に改めて注目された障害です。
そのため、年配の方になればなるほど、アスペルガー症候群という障害を知る人が少ないのです。また、アスペルガー症候群のみならず、知的障害を伴わない自閉症スペクトラムに分類される障害の診断も新しく設けられた基準なのです。
アスペルガー症候群の高齢者の特徴は?
年齢を重ねてこられた方々の中にも、もちろん現在アスペルガー症候群と呼ばれる障害を持っている人もいます。しかし、長年普通に生きてきたから障害も個性として受け入れてこられたのです。ですから、自分自身が障害者であるという認識はなく健常者として当たり前に生きてきたのです。
もしかすると、これまでに人とのコミュニケーションに悩んだ時期や人間関係に行き詰った時期もあったかもしれません。年齢を重ねてもこだわりの強さや自分中心の生活のあり方は変わらないのもこの障害の特徴です。早期に発見していれば、わずかでも社会性の確立は叶ったかもしれません。
アスペルガー症候群と老人性認知症の区別
アスペルガー症候群の老人と老人性認知症の人との区別が判断しがたいという点があります。
しかし、高齢になってからアスペルガー障害の診断をわざわざ受ける人は少なく、老人性認知症と判断されることも少なくありません。認知症は機能が衰退していきますが、アスペルガー症候群は現状をキープしていきます。
年齢を重ねるに連れて性格が頑固になったり、穏やかになったり、認知症であってもそうでなくても変化が生じます。それでも、老人の課題は、豊かな人生を送ることであり、生活の質を保ち自分らしく生きることができるように周囲のサポートが必要です。
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