複数動作の難しい体が不器用な子
プロフィール: A.Oさん、35歳女性、主婦
息子がアスペルガー症候群の診断を受けて間もない頃、降園後園庭で一人ブランコに座っていました。座っていたんです。しかし、お友達のお母さんがあまりうまく揺れていないので、良かれと思って息子の背中を押してブランコを揺すってくれました。年少の次男は絶叫です。そのお母さんはびっくりして謝ってくれました。こちらこそ申し訳ない気持ちでした。
ブランコは実はかなり複雑な動きが必要だということは、数年後に作業療法士さんに教えてもらいました。前後に揺らすためには体重移動が必要。その体重移動に力を加えるために、前に移動するときは腕を引き足を延ばす、後ろに移動する時は足を縮め腕を伸ばす。「複数動作」です。
体の不器用さに関しては、言われて納得できることがいくつかありました。運動神経が良いと思われがちな息子がこげなかった足こぎ車。三輪車に乗るよりも小さい時に与える、両足で蹴って進む乗用玩具です。普通は両足同時に蹴りますが、息子はまるで歩くようにこいでいました。そして、自分で走った方が早いのですぐに乗り捨てていました。どうやっても両足同時には蹴ることができませんでした。前に進む時は上体を前重心にして、地面を蹴り上げるようにして前に進む。複数動作だったんですね。
そんなことが発覚してから、今度は縄跳びという試練です。作業療法士さんにアドバイスを受け、ポールを縄で捕まえる練習から始めました。まわして・跳ぶ、という複数動作を分割です。まず、まわす。「カウボーイごっこ」と名付けました。標的物をつかむ。腕のまわし方をマスター。そして、跳んでみる。跳べても最初はなんだか変です。だんだん脇が甘くなって腕が開いていくし、近所に丸聞こえのスパルタ指導でした。
しかし、今ではクラスで縄跳びチャンピョンになったそうです。息子は感覚をつかむのが難しいだけで、そこを乗り越えると大丈夫なタイプらしいです。ちなみにですが、なぜか跳び箱は最初から得意です。道具を仕様せず、跳ぶだけだからでしょうか。私は跳び箱が苦手なので、あまりに跳ぶので驚いています。
しかし、鉄棒の逆上がりはできません。握る、腕を引く、地面を蹴る、腹筋で回転する。息子にはかなり高度なようです。腰にタオルを巻いて補助しながらならできますが、自分だけではできません。どこに力を入れて良いのかわからず、地面を蹴りあげたらセミが息絶える瞬間のようにボトッと地面に落ちます。
逆上がりはできなくても人生困りません。ただ、足も速いし「運動神経抜群」を売りにしている息子には、「できた方が減滅されないと思うよ・・・。」とは伝えています。本人は鉄棒に興味がないので、今の所気にしていないようです。
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