歯科医になったアスペルガー
プロフィール: Rさん、27歳女性、専業主婦
私は現在、27歳、一児の母親であり専業主婦です。1年前まで歯科医院で歯科衛生士をしておりました。その歯科医院の院長がアスペルガー症候群だったのです。
私が歯科医院に働きはじめたのが、5年前になりますが、まず院長の印象として今までに出会ったことがないとても変わった人だな、と思いました。
まず歯科医の基本である、患者様に
「イスを倒します、起こします」
という声かけができない。なので急にイスが動きだし毎回、患者様は驚いてしまう。
でもただせっかちなのかな、と思っていました。
その他にも太っている方が患者様としてこられると、必ず、「太っているね」と言ってしまう。カツラを着用している患者様で院長がカツラに気づいてしまった時には、「カツラですね、うふふ」と本人に聞いてしまう。ただ、デリカシーがないのかな、と思っていました。
でも、このような積み重ねで患者様が激減していき、1日に5.6人しか来なくなりました。このような院長の態度では患者様ももっと来なくなってしまう、と焦り、1日2回、
ミーティングを開催することになりました。ミーティングといっても、院長が、
「イスを動かす時は起こします、倒します、という」
「患者様に向かって失礼なことをいわない」
などその他にも2項目、合わせて4項目を今日こそは出来るようにします。と読み上げるだけのものです。
それを4年間毎日、出来るようになるようにミーティングを行いました。しかし、一度たりとも院長はできたことはありませんでした。
また、例え話が全く通じず、例えば
12月に「冬なのに春みたいに暖かいですね」といえば、「今、12月だから春のわけない」とマジメに返答してきます。とても扱いにくいです。
他にも治療中、想定外のむし歯が見つかったり、自分の想像を超えてしまう出来事があると、立ちあがりぐるぐると徘徊を始めます。
本人も2年ぐらい前から、
「僕ってアスペルガー症候群だ。娘に言われた。」
と自信満々にいうほどでした。たまたま院長の娘さんが教師でアスペルガー症候群というものを知ってしまい、自分の父親にぴったりだ。と思って家族に打ち明けたそうです。
人の気持ちを考えて言葉を話せない、決まったことの繰り返しはできるが応用力がない、などアスペルガー症候群の特徴にかなり合致していることを本人も自覚したのです。
しかし、アスペルガー症候群と自覚しても全く治る気配はありませんでした。だからアスペルガー症候群なんでしょうけど。
5年間、患者様のことだけを考えて院長には少しでも態度を改善してほしく、毎日注意してきました。しかし本当に改善されません。悩みすぎて胃が痛くなったりしました。
見た目は普通の人なので、頭の片隅にアスペルガー症候群だ、と描いて話さないとかなりストレスがたまる相手です。質問したことと違うことが返答されるのは日常茶飯事です。
普段、アスペルガー症候群に接せられてる方は、根気がいるでしょう。アスペルガー症候群だ、ということを片隅において会話してみて下さい。とても気持ちが楽になりますよ。
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