アスペルガー症候群の方への声かけの仕方について
プロフィール: Tさん、30歳女性、主婦(以前は教員)
Aさんの事例を紹介します。
Aさんは、よく友達とトラブルを起こしていました。
例えば、Aさんには冗談が通じません。友達同士がじゃれ合うような感じでボールの取り合いっこをしていると、「そんなことしたら〇さんが可哀想だよ!」と注意してしまいます。
また、周りが自分のことをどう思っているかを感じ取ることが苦手です。いくらおかしいことがあっても、明らかに大きな声で笑うような場面でなくても、おかしいと思えば周りがびっくりするくらい大きな声で笑ってしまうこともあります。
日々このような表れはありますが、一番本人にとって辛いのは二次障害です。
上記のような、ちょっと変わった行動をしていると、友達は「Aさんってちょっと変だよね。」という気持ちになってきてしまいます。どうして変だと言われるのかわからないAさんにとって、友達から避けられる=自分はダメな人間なのかもしれないと思い込んでしまい、自己肯定感が低くなってしまうことがあります。つまり自分に自信がなくなり、自分が嫌いになってしまうのです。
こうなると、アスペルガー症候群とは違う精神的な病気に新たにかかってしまう危険性があります。これが二次障害です。
自分の周りにアスペルガー症候群の方がいた場合、この二次障害にならないように関わってあげることが一番大切なことだと私は思います。
その人「自身」を否定するのではなく、その人の「行動」を注意してあげるのです。
例えば冗談でボールを取り合っているのに「ダメだよ!」と注意された場合、「うるせーな!」と言ってしまうのではなく、「これは遊びでやっているから、〇さんも嫌な気持ちになっていないんだよ。」と説明してあげるのです。
大声で笑ってしまった場合には、「今はいくら面白くても、声には出さず心の中で笑う時だよ。」と教えてあげるのです。
ひとつひとつ、何がいけないのか、どうすればいいのかを簡潔に示してあげれば必ず理解することができ、同じ場面になった時それを覚えていて実行することができるようになると思います。
しかし、「応用」はきかないので、ボールが縄跳びに変わった時には、また同じように注意してしまうかもしれません。そうしたら、また教えてあげればいいのです。
身近にいると、「何でこんなことも分からないんだ。」とイライラしてしまうこともあるかもしれません。でも、ちょっと言い方を変えるだけでアスペルガー症候群の人もすごく生きやすい世の中になると思います。
根気がいることかもしれませんが、もしアスペルガー症候群の方へどう声を掛けていいのか分からないという方は、ぜひ試してみてください。
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