アスペルガー症候群 割合

アスペルガー症候群の割合

アスペルガー症候群の割合

社会におけるアスペルガー症候群の人の割合は、100人に1人とも、1000人に1人とも言われています。10000人に5人という説もあります。男女比は4:1もしくは3:1です。アスペルガー症候群の診断は難しく、各調査機関によって、割合の数字が変わっています。

 

アスペルガーの特徴があっても、ADHDとの合併や軽度で気付いていない人、精神疾患と誤診されている人などもいて、明確な把握が出来ていません。また、アスペルガーの発症は遺伝性が高いとされ、アスペルガー症候群を含めた発達障害が全く見られない家庭もあれば、家族全員がアスペルガーだけでなく、なんらかの発達障害の特徴を示している家庭もあります。

 

アスペルガー症候群の発見

アスペルガー症候群を公表したのは、ウィーンの小児科医ハンス・アスペルガーです。1943年、精神科医レオ・カナーによって、自閉症の報告が挙げられました。

 

それまで、自閉症は「子供の統合失調症」と言われていたのですが、レオ・カナーは「社会性の障害」「奇異な行動様式」「言葉の発達の遅れ」「卓越した記憶力」「強いこだわり」などの特徴をまとめ、「自閉症」と名付けました。

 

その翌年、ハンス・アスペルガーが「社会性の障害」「強いこだわり」などの自閉症の特徴を示しながらも、知的な障害が無い人たちがいることを報告し、それらの特徴を見せる人たちを「アスペルガー障害」と名付けました。発症の理由については、カナーは家庭環境のせいとしましたが、近年、先天性のものであることが分かりました。

 

日本人とアスペルガー

アスペルガー症候群は、昔の日本では問題にならなかったと言われています。なぜなら、無口でコツコツと働き、細かい仕事を丁寧にこなし、定時仕事開始定時終了の生活だからです。人と話さなくてもよくて、こだわった技術的な仕事をして、毎日毎年決まったことをしていれば生活できていました。

 

ですから、日本でアスペルガー症候群が取り上げられて問題視され、集団内での割合などが報道されるようになったのは、現代の、誰もが学校と会社に所属するという集団生活が原因だといわれています。

 

男女比

アスペルガー症候群の男性の比率が高いのは、女性は、子育ての為に集団を作る本能があるからだと言われています。さらに、幼少期の遊びにおいても、男子は男性の、女子は女性の役割を求められるため、女性の軽度アスペルガーは集団的な遊びをする機会が男子より多く、社会性を学習しやすいという社会環境があります。

 

男子の場合は、一人遊びや片付けが出来ないなどの特徴があっても、男性の特徴として許されるため、社会生活のスキルを身に付ける機会を逃しやすい傾向があります。

 

割合がはっきりしない

アスペルガー症候群は、広汎性発達障害の一種です。個人差が大きく、他のADHDやLDとも同じような特徴を示したり、合併していることも多く、線引きがあいまいです。そのため、割合もあいまいになってしまいます。

 

個人差が大きいので、アスペルガーの特徴が見られても、型にはめたサポートは向きません。一人一人の個性に合ったサポートが必要です。肝心なのは、本人が社会生活を送れるように、本人の特徴や認識と、とりまく社会の理解の両方をすり合わせていくことです。

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