アスペルガー症候群と統合失調症の併発
アスペルガー症候群の特徴による対人ストレスや、劣等感が積み重なると、うつや統合失調症、不安神経症や強迫性障害などの精神疾患を併発します。精神疾患は治療に時間がかかるので、症状に気が付いたら早期に精神科を受診しましょう。受診をすることによって、精神疾患の治療が進めやすいだけでなく、アスペルガー症候群の特徴による生きにくさへの、具体的な支援や助言も得られます。
特に統合失調症は妄想や幻覚の症状に振り回されて本人も家族も困るので、家族会などで家族の気持ちを支える援助が必要です。
統合失調症とは
思考や感情がまとまりにくくなり、幻覚や妄想を発症します。思考がまとまらないので通常の会話も難しく、食事をとることすらできなくなるほどです。幻覚と幻聴や妄想に振り回されて正常な判断が出来なくなり、幻覚と会話をし、妄想で周囲の人に攻撃的になったりします。
感情も無感動になったり感情が昂ったりと不安定で、本人も自分がどんな行動をしているのか分からなくなりますし、家族もどう接したら良いか分からなくなります。
発症の原因はストレスであることが多く、遺伝によるストレス耐性の弱さが指摘されています。
アスペルガー症候群との違い
アスペルガー症候群の思い込みの激しさが、時には妄想に見えることがあります。感情が昂りやすく、思い込みに振り回されて思考がまとまらなくなっているアスペルガー症候群の人が、統合失調症と誤診されることはしばしばあります。また逆に、統合失調症の人がアスペルガー症候群と間違われて、適切な治療が受けられないこともあります。
アスペルガー症候群から統合失調症へ
アスペルガー症候群は、独特の感覚と感性で定型とは異なるコミュニケーションの取り方をします。見た目でも体の動きがぎこちない、無表情などの特徴があります。そのせいで、集団の中で馴染めない、皆と同じことが出来ないなど劣等感を抱きます。
記憶力が高いため嫌な記憶は残りやすく、記憶がフラッシュバックしては苦しみます。劣等感と深い自己否定を繰り返し続けてストレスを溜めこみ、統合失調症などの精神疾患を併発しやすいのです。趣味に没頭するなどの、ストレスを減らす工夫が必要です。
統合失調症は治ります
近年、統合失調症は脳内のドーパミンというホルモンが正常に使われていないことで症状が強くなることが分かりました。そこで新薬が開発されて、通学や仕事を続けながらの治療が可能になりました。
服薬期間は長期にわたりますが、薬の種類が合えば、服薬してすぐに症状は軽くなります。しかし、症状が治まっても医師の指示があるまでは服薬を続けないと症状がぶり返すので、必ず医師の指示に従って服薬を続けてください。
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