アスペルガー症候群の二次障害
アスペルガー症候群による対人ストレスや、劣等感が積み重なると、うつや統合失調症、不安神経症や強迫性障害などの精神疾患を併発します。症状に気が付いたら、早期に精神科を受診しましょう。
受診をすることによって、精神疾患の治療が進めやすいだけでなく、アスペルガー症候群の特徴による生きにくさへの、具体的な援助も得られます。
うつ病の場合
仕事も趣味も、何事にも気力が沸かない状態です。食欲も落ちて、朝早く目が覚めて眠れなくなったり、体が重怠くて、寝たまま動けなくなったりします。アスペルガー症候群の特徴である、素直さが裏目に出て、対人トラブルや仕事の失敗などの気分が塞ぐ体験を抱え続けると、発症しやすくなります。
治療法は、主に薬物療法ですが、症状が良くなるのには数年間かかりますから、気長に治療を続けましょう。
統合失調症の場合
妄想や幻覚、幻聴が現れます。妄想はネガティブな内容で、幻覚と幻聴は自分や誰かを貶めるような内容が多く、適切な判断が出来なくなります。治療は薬物療法が主ですが、早期に治療を始めれば、社会生活を続けながらの治療も可能ですので、早めに精神科を受診しましょう。
関連ページ:アスペルガー症候群と統合失調症の併発
その他の精神疾患
アスペルガーの特徴であるこだわりの強さが強調され、強迫性障害になり、何時間も手を洗い続けたり、同じことを何度も確認するなどの症状が出ます。薬物療法と認知行動療法で、行動を変えていくことで改善します。
ストレスから過食を繰り返したり、過食の後は嘔吐する、摂食障害が出ることもあります。さらに、不眠や、人の多いところへ出られないパニック障害など、生活に影響する精神疾患を併発しやすいです。
二次疾患を防ごう
アスペルガー症候群は、独特の感性とコミュニケーションの取り方をします。見た目も、体の動きがぎこちない、無表情などの特徴があります。そのせいで、集団の中で馴染めなかったり、皆と同じことが出来ないなどの劣等感を抱きます。嫌な記憶が残りやすく、記憶がフラッシュバックしては苦しみます。劣等感と深い自己否定を繰り返し続けて、精神疾患を併発してしまいます。
どんな人でも、長所と短所はあります。言わないだけで劣等感はあります。アスペルガーは言動が目立つため、出来ないことも特に目立ってしまうだけです。自分の長所は何でしょうか。アスペルガーの場合は、独特の感性と同じことを繰り返せること、卓越した記憶力だと、様々な本に書いてあります。それは、とても社会の役に立ちます。個性的な生き方を楽しみましょう。
スポンサーリンク