アスペルガー症候群と非常識なふるまい
暗黙の了解が分からない
アスペルガー症候群の人は、普通は言われたくないことを他人に言ってしまったり、空気を読まずに行動してしまったりすることが多く、それらの発言や行動によって周りの人から非常識と思われてしまうことが多いようです。
しかし、ルールに忠実であることが特徴であるアスペルガーの人が、何故このような行動や発言をしてしまうのか。それはアスペルガー症候群の人は、暗黙の了解などの明確でないものを理解するのが苦手だからです。
常識と非常識は紙一重
皆さんは、何が常識で何が非常識なのかと聞かれたときに、はっきり答えることが出来るでしょうか。例えば、「外出をするときは服を着るべきかといった問いであれば、誰もが簡単に答えられます。
それでは、「エスカレーターに乗る時は歩く人の為に右側を空ける」。これはどうでしょうか。非常に難しい質問です。関東では右側を空けて乗るのが一般的ですが、関西では左側を空けて乗ります。そもそも、エスカレーターで歩いてはいけないという考え方も出来ます。
このように、同じ行動でも地域や時代、人の価値観などの違いによって、常識は変わってしまうのです。それだけ常識とは曖昧なものだと言えます。アスペルガー症候群の人は、とにかくこの曖昧さが苦手なのです。
常識人である必要性
そもそも常識人でなければならない必要ってあるのでしょうか。長い歴史の中で時代を変えてきた偉人たちは、どこか非常識であったり変人であったりしたといいます。天才に発達障害者が多いということもよく言われたりします。だから、あまり常識というものに囚われ過ぎて、自分を追い詰めてしまう必要はないのです。
良好な人間関係を築くために
それでもこの社会で生きていくには、良好な人間関係を築く必要があります。
アスペルガー症候群である以上、空気を読むのが苦手であったり、言わなくていいことを言ってしまうのは、ある程度仕方のないことです。そこで、コミュニケーションをとらなくしたり、アスペルガーだから仕方がないと開き直ったりするのではなく、相手を傷つけてしまった時には誠意をもって謝り、自分の特性をきちんと説明することが大切ではないでしょうか。
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