アスペルガー症候群は人嫌いなのか
「アスペルガー症候群=人嫌い」は間違い
誤解されがちなのが、アスペルガー症候群の方は必ずしも人嫌いではないということです。他人とのコミュニケーションを苦手とする人が多いだけであって、アスペルガーだから人嫌いということはありません。事実、上手い下手を別にすれば、積極的にコミュニケーションを取ろうとする方もいます。人嫌いかどうかは障害の有無ではなく性格によるところが大きいようです。
失敗の連続から苦手意識へ
アスペルガー症候群の方の中には、人付き合いを苦手とする方が多くいることも事実です。その理由は、アスペルガーの症状である「相手の立場に立って考えるのが苦手」、「空気が読めない」、「失礼なことを悪気なく言ってしまう」などの特徴によって、コミュニケーションにおいて失敗を繰り返してしまっているからと考えられます。
その結果、コミュニケーションに対して苦手意識を持ち、そこから人を避けるようになるという悪循環に入ってしまうのです。
しかも、アスペルガー症候群は先天性の脳機能障害が原因と考えられており、本人の努力だけでは解決が難しい為、パニック状態やうつ状態に陥っているケースも少なくありません。
アスペルガー症候群の不安と孤独
本当はアスペルガー症候群の人も、楽しくコミュニケーションを取りたいと思っているのです。しかし、失敗への不安から最初の一歩が踏み出せず、孤独を感じている方が大勢います。孤独はうつ病などの二次障害を悪化させる為、より当事者を社会参加から遠ざけてしまう恐れがあります。
苦手意識は克服出来る
しかし、コミュニケーション能力は向上させることが出来ます。それはパターン学習することと、自分の特徴を相手に理解してもらうことです。
コミュニケーションは情報の発信と受信があって完成します。まず相手に嫌がられない発信方法を、経験の中からパターンとして学習するのです。また、自分の特徴を前もって伝えることで、受信方法を工夫してもらう方法もあります。このように工夫することで、コミュニケーションにおける失敗を避けることは可能なのです。
いきなりでは不安という方は、当事者会や支援団体などでコミュニケーション方法の講座や練習を行っているところもあるので、そういったところを利用すると練習しやすいかもしれません。
スポンサーリンク