アスペルガー症候群 軽度 症状

軽度のアスペルガー症候群

軽度のアスペルガー症候群

軽度のアスペルガー症候群の場合、アスペルガー症候群であると誰にも気付かれず、本人も気付いていない場合があります。社会生活が出来ない特異な症状としてとらえられてしまうアスペルガーの特徴も、軽度では一部だけが目立っていたり、浅く広く全体的に特徴が現れたりします。

 

軽度の場合は集団を苦手としながらも、学校や会社にも通えるため、「空気が読めない」「話が通じない」「わがまま」などと言われて、社会の中で生きづらさを感じ続けています。

 

軽度のアスペルガーには、対人関係が上手くいかず二次疾患を併発するほど悩む方、二次疾患を併発するほどではないけれど生きづらさに耐えている方、アスペルガー独自の才能を発揮して世の中に認められている方、様々な人がいます。個人差と呼ぶには大きすぎる差ですが、その個性的な生き方がアスペルガーの特徴でもあります。

 

空気が読めない・気付かない

皆が深刻な話をしているのに、笑いながら話しかけてしまう。飲み会で一方的に話しまくってしまった。会社でトラブルがあり、上司の顔色が変わっていることに気が付かず、機嫌を損ねてしまった。このような出来事はよくあります。

 

さらに、職場に出勤したら同僚が「いいでしょ」というけど、何がいいのか分からなかった。あとでインテリアが変わったと教えられた。職場の仲間が「これどう?」と新しいグッズを見せたけど、何が「どう?」なのか分からなくて怒られた。そんなこともあります。

 

「空気が読めない」「気が付かない」それはアスペルガーの特徴です。周囲の人の機嫌を損ねるので、嫌われて、いじめられてしまう原因にもなります。

 

しかし、空気が読めない人やあえて空気を読まない人は、世の中にたくさんいます。良くないのは、コミュニケーションの失敗をネガティブに受け止めることです。周りの人から冷たい対応をされたら、「何がいけなかったの?教えて」「教えてくれて、ありがとう」などの、ポジティブな反応を返すのも良い方法です。

 

コミュニケーションが取りにくい

軽度のアスペルガーの場合、挨拶などの表面上のお付き合いは出来ます。しかし、他人との感情の共有が難しいので、話が込み入ってくると、相手が欲しがっている適切な言葉を返すことが出来ません。悪気はないのに、相手の話を聞いていないと思われてしまいます。

 

会話の経験を重ねて、相手のキーワードに対して返すキーワードのパターンを一つ一つ覚えていけば、徐々に適切な返答を返せるようになっていきます。しかし、そこまで頑張っても、アスペルガーの特徴である声の抑揚や小さな表情の変化の乏しさがあり、話しにくさを相手は感じます。雑談などの楽しい会話は続きません。

 

また、急な変化に付いて行けないので、仕事の変更などの話についていけず、仕事が出来ないとか置いて行かれるということもあります。

 

社会参加

集団に馴染めず、コミュニケーションがとりにくく、チームワークの必要な仕事には向かない。しかし、得意分野の職人仕事になると、多大な才能を発揮します。近年は、そのアスペルガーの才能を生かすために、特別なプログラムを組む組織もあると聞きますが、普通は、そのような組織に巡り合うチャンスは稀です。

 

才能を伸ばすための集団参加に対しても、学校や職場で辛い思いをしているので苦手意識があります。人間関係が苦手だからといっておそれず、社会参加をして、聞きたいことは素直に聞きましょう。教えてもらったらお礼を言えばいいのです。

 

素直で真面目なアスペルガーは、人間関係も悩みも一人で背負ってしまいがちですが、その悩みを解決したいと見守ってくれている人もいます。世の中はそんなに怖くはありませんよ。

 

軽度のアスペルガー症候群は

「他人と共感が難しい」「コミュニケーションが難しい」「変化についていけない」などの人間関係や社会生活の困難はありますが、「素直で真面目」「得意分野で才能を発揮」「独特の感性」などの長所もあります。自分は何が得意なのか、何に興味があるのか。自分の才能に気付けば、こつこつと磨き上げることができます。

 

磨き上げた才能で生活できる方は、社会に馴染めます。才能で生活できない場合は、社会と折り合う方法を学ばなくてはなりません。現在はフリースクールやハローワークなどでの支援もありますから、恐れずに相談してみましょう。

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