アスペルガー症候群の診断基準

アスペルガー症候群の診断基準は、ほとんどの場合ウェクスラー式知能検査を使って行われます。また、それと同時に家庭や学校生活での様子も重要な判断基準に含まれます。

幼児の場合では３歳頃に診断されることが多く、臨床心理士や保健師などの所見の元、医師の診断を受けます。行動面や知能、社会生活についてなどそれぞれの専門的視点から評価されていきます。

細かな能力についてはウェクスラー式知能検査で行われますが、最終的な判断は医師によって行われます。

アスペルガー症候群の人の中には、自分自身が他の人と違うという自覚がない人もいます。自分の目の前の物事を把握することはできても、自分自身を客観的にみることが苦手で、都合が悪ければ、周囲の人のせいにしてしまうこともあります。

情報化した現代ではアスペルガー症候群やその他の発達障害の症状が多くの人に認知されるようになりました。本人の自覚症状がなくても周囲の人が「この人、少しおかしい」「うちの子、人と違う」などということを感じさせることも少なくありません。

しかし、本人に自覚症状がなくても周囲の人が違和感を覚えており、社会生活に支障をきたす場合には医療機関を受診することをおすすめします。

アスペルガー症候群を３歳児検診などで疑われた場合、その後の対応については地域差が生じているという現状があります。

対応の早い地域では、グレーゾーンの時点で療育を開始するのですが、子どもの人数や療育対象者の多い地域になるとすぐには治療を受けることができないこともあります。

例えば、４歳になる前に療育をスタートできる地域もあれば、１年間待機しなければ受けられない場合やグレーゾーンの子が療育の対象にならないことだってあります。アスペルガー症候群の診断や療育についや使える制度については市町村に尋ねることが必要です。