軽度のアスペルガー症候群と就職
採用試験に受からない
軽度のアスペルガー症候群の人は、学歴が高かったり成績が優秀だったりすることがしばしばあります。その為、書類選考は問題なく通っても、面接試験で落とされてしまいなかなか就職が決まらないということが多いのです。
それは空気が読めなかったり、暗記した内容を一方的に話し続けてしまったりして、コミュニケーションの面で減点されてしまうからです。面接試験を受けるうえで、苦手なコミュニケーションを努力で補うのも一つの方法ですが、それには限界があるので、長所を前面に押し出して勝負する方がいいと考えられます。
業種や職種が重要
アスペルガー症候群の人が長所を前面に押し出す為には、業種選びや職種選びが非常に重要になります。
発達障害は能力の凸凹が大きいことが障害なので、健常者のように「何でもそれなりにこなす」ということが出来ません。その結果、向いている業種・職種に就職するのと、向いていない業種・職種に就職するのでは雲泥の差となってしまうのです。
例えば、アスペルガー症候群の典型であるルーティンワークをこなすのは得意でも、対人コミュニケーションが苦手という人が、職人や技術職に就くのと広報や営業職に就くのでは、仕事の成果や周囲からの評価に大きな差が出ることは、容易に想像することが出来ます。
裏を返せば、軽度のアスペルガー症候群の場合は上手く苦手な分野を避けたり、得意な部分を活かすことが出来れば、人並みかそれ以上に仕事が出来る可能性もあります。
軽度という難しさ
軽度とは重度に比べて症状が軽いということです。一般的には重度より軽度のほうが生きにくさが少ないと考えられています。しかし、これは絶対とは言い切れません。何故なら、様々な社会保障を受けられなかったり、周囲からは健常者というカテゴリーに入れられてしまうからです。
例えば、重度であれば障害者手帳を取得して障害者枠で就職出来る可能性があります。しかし、軽度の場合はそういった社会保障を受けることは出来ません。よって健常者と同じ枠で採用試験を受験しなければならず、就職出来なかったり、就職しても健常者と同じパフォーマンスを求められて、評価が下がってしまうことがあるのです。
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