アスペルガー症候群 大人 自覚

アスペルガー症候群の自覚

アスペルガー症候群の自覚

ごく軽度のアスペルガー症候群の場合、対人トラブルが多く集団に馴染めなくても、個性とみなされて、自分がアスペルガーだと気が付かないことがあります。

 

また、「気が付かない」という特徴によって、自分に友達がいない事にも気が付いていない、仕事が出来ていなくて周囲の人が助けてくれていることにも気が付いていない、会話がかみ合わないことを不思議に思わない方。得意分野で認められて社会貢献できているから対人関係も生活も困っていない、という方もいます。

 

アスペルガー症候群の自覚が必要なのは「困っている人」です。子供の頃から対人関係や、皆が出来る事が出来ない劣等感で悩み、大人になっても同じことを繰り返す自分には、何か根本的な問題があるのではないかと精神科受診をすることは、自分を変えたいという希望の始まりです。

 

受診して診断を受け、アスペルガー症候群であるという自覚を持つことは、対人関係や劣等感を変えていく第一歩です。

 

自覚を持つにいたるまで

アスペルガー症候群があると、子供の頃から集団に馴染めません。幼いころに親が気付いて受診してくれれば、適切な支援が得られ、自覚を持ってポジティブに行動できます。大人になって自覚を持つ人の場合は、ずっと悩み続けた結果の自覚です。

 

子供の頃から、一生懸命に皆と同じように行動して、皆と仲良くなろうとしているのに、なぜかいつも一人。友達の話を一生懸命に聞いているのに、なぜか怒らせてしまう。自分が面白いと思っていることを、「つまらない」「くだらない」と否定され続ける。皆が出来る事が出来ない反面、誰もできないことが出来てクラスのヒーローになることもある。何もしていないのに、よくわからない理由で、集団で責められることもある。

 

成績は偏って優秀。得意なことに関しては誰も追いつけない。宿題忘れや文字が綺麗に書けないので先生から怒られる。たまにネガティブな感情がこみあげて劣等感や怒りに襲われる。話していたら、なぜか友達がドン引きしていた。ずっとおかしいと思い続けて来たそれらの体験が、症状として分類されていることだなんて知らないのです。

 

気付くきっかけは偶然です。たまたま読んでいた本に載っていた、とか、誰かが指摘した、などのきっかけで「アスペルガー症候群って何?」と調べてみたら、自分の事が載っていた。「精神科を受診しよう」と書いてあったから受診したら、診断が付いた。そういうところから、自覚が始まります。

 

自覚を持って変えよう

「自分はアスペルガー症候群である」と自覚した時から、社会の見方が変わります。定型発達とは異なる感性と感覚を持っていること、友達が少ないのはコミュニケーションの取り方に問題があったこと、出来ることと出来ないことの差が極端なのは脳機能の偏りであること、それらのことを自覚すると、行動を変える手段が分かります。

 

自分で工夫して変えられる人もいますが、支援団体に行動のコツを教えてもらうことや、支援団体から会社へ、能力を生かせる仕事の仕方を説明してもらうこともできます。

 

無理はしない

アスペルガー症候群だと自覚し、自分の行動を変えて、集団生活を送れるようになるためには、努力も必要です。努力にはエネルギーが要ります。素直で真面目なアスペルガーは努力しすぎて、自分の心身を消耗してしまうこともありますから、どうしても出来ないことは無理をしないということも大切です。

 

また、一人になる時間も大事です。好きなことに集中する時間は、もっと大事です。そして、疲れにも鈍感なアスペルガーは、疲れていても体調を崩すまで無理を続けます。時間を決めて休憩をとりましょう。

 

ポジティブに生きよう

子供の頃から悩み続けてきた体験の原因が「アスペルガー症候群」だった。と、自覚した時から、集団の中で生きるための工夫が始まります。積み重ねてきたネガティブな体験を、アスペルガーの特徴として受け止め、その特徴をポジティブな体験に変えることが出来ます。自覚をきっかけにして、考え方を変えましょう。大人になっても間に合います。悩み続けてきた人生が変わります。

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