おとなしいアスペルガー症候群の人

アスペルガー症候群の人には対人関係が苦手でおとなしい人もいます。「おとなしい」と一言で言っても、さまざまな人がいます。人と関わりたいけど何を話して良いかわからず話しかけることができない人や、もともと人と接することが苦手な人もいます。

おとなしいからといってアスペルガー症候群かどうかは判断することはできませんが、コミュニケーションが上手に取れないアスペルガー症候群の人は黙って人から話しかけられるのを待っていることが多くみられます。

アスペルガー症候群の人にとって、環境の変化に適応することはとても大変なことであり、他人に一言話しかけることだけでも勇気のいることです。そんなアスペルガー症候群の人が職場や学校などの新しい環境で周囲の人と交流を持つためには第三者の手を必要とすることも少なくありません。

普通の人であれば自分から自己紹介することができるかもしれませんが、アスペルガー症候群の人は、新しい環境の中で過ごすことさえも大変なことです。そのため、誰かが本人に変わって紹介を行うことや慣れるまで指導してくれる人をそばに置くなどの工夫が必要です。

普通の人もそうですが、集団が好きな人、苦手な人がいます。アスペルガー症候群の人も同じで、集団が得意な人、苦手な人がいます。もちろん仕事の業務中は、同じ職場の人との連携をはかることは大切ですが、休憩時間やプライベートでは、本人の意思を尊重してあげることが大切です。

アスペルガー症候群の人の多くは、言葉の意味を理解することが苦手です。また、「普通」というものの加減が人と違うこともあります。そのため、アスペルガー症候群の人に言葉を伝える時はあやふやな表現を避けることが必要です。

また、些細なことで「AとBどっちが良い？」という質問に「どちらでも良い」と答えてしまうと、自分で決めることができなくて混乱してしまうことがあります。「どちらでも良い」「あなたが決めて」などというよりも白黒はっきりさせると物事をスムーズに進めることができます。